青空のようにスカーッとしたあほやねん
青空のようにスカーッとしたあほって、どこのどいつだ、とお思いのあなた。
土曜朝9時半のNHKを見てくださいな。
「団地ともお」
そこには、いつも濁りのなきあほさを200%発揮するともおちゃんがいる。
あのクレしんのお尻ブリブリが嫌な人も安心して見ることができる。
ともお、かわいいな。
男子小学生の一種の典型。
ぬけていて、鷹揚で、いい意味で鈍感で、でも友だちや家族の心配もちゃんとする。言葉も達者だ。語彙力が意外とある。女子であのタイプは、滅多にいない。女子はそれなりに打算的だから。その点、男子の「計算」はわかりやすい。単純だ。
ともおは外食前に必ずご飯を一膳食べないといけない。
それは、外食前にある程度お腹をいっぱいにさせておき、注文をたくさんさせないぞというおかんの陰謀だ。だが、ともおはその陰謀に全く気づいていない。外食できるという事実の方が大切で、その前のご飯一膳が何を意味するのかは、思考の圏外だ。
今日のともおは不幸のハンディだけで勝ってしまった。
不幸のハンディとは、小学生のパラダイスである夏休みに、どれだけ不幸かを勝負するもので、ハンディはあるほど勝つ。
ひとつ、「旅行に連れていってもらっていない」
ひとつ、「お昼ご飯はソーメンが週に5回だ」
ひとつ、「夏休みに入ってからおこづかいをもらっていない」
小学生にとっては大事件なことばかりだ。
でも、その不幸はちっちゃい。
ちっちゃいとはいえ、不幸もここまで積み重なると悲しい。
ともおは不幸の最強。勝っても、自慢はできない。
この不幸ハンディ勝負で、いっぱいハンディのある人を勝たせる発想って、かわいいよね。普通、逆でしょ? 不幸じゃない自慢で勝つ。ドラえもんなんか、そうだ。
日曜の朝は、ともおちゃんがいればハッピーだ。