レモンパン

こんがらがっている、ちいさなじぶんのせいりのために書いています。

ちょっと待った、その不動産

わたしが、今住んでいるマンションは、3年間のアフリカ駐在から帰ってきて、不動産のことをよく調べずに買った、バブルで値崩れする前のもの。狭く、古く、買って1年で大幅に値下がりした物件。

 

しかし、一つだけいいことがあった。

天井が高いのである。

リビングや北側の2室は、天井高273㎝。

このため、たったの66平方mなのに広く感じる。

 

で、以下の記事。

45mの建物を、15階建てにするのか、14階建てにするのかで、ものすごく違ってくると。

http://president.jp/articles/-/13068 

 

そりゃあ、そうだ。

同じ高さに階数を多く入れたら、一階いっかいの天井は低くなる。当然。

でも、買う人はそれは知らない。

なにか変だなーと思っても、ちょっと相場より安くされると庶民は心が動く。

買ってもいいかなと思ってしまう。

 

そこで、「ちょっと待った、その不動産」。

 

わたしはインテリアを見るのが大好きなので、近所で新築やリフォーム物件の見学会があるとよく見に行っているが、それがもうひどいのなんのって。

 

我がマンションの別の部屋で「全面リフォームしました」と、平均売り出し価格より300万ほど高く設定していたところは、よく見ると全面リフォームではない。

水回りは一部古いものを流用。単にキレイに掃除しただけ。築30年近くたっているこのマンションの水回りを「全面リフォームしました」と言うなら、全部、本当に一から変えるべき。

この部屋は売れてしまったが、買った人は他の部屋を見ないで買うわけで、売り主の言うことを信じて買うわけで、つまり騙されたことになる。

 

近所の駐車場をつぶして建てている新築戸建て。

狭い敷地に庭なしの戸建てが8棟。あんなにギュウギュウ建てたら、真ん中の4棟は風が通らないでしょう、隣のお家に窓から手を伸ばせば届くでしょう。でも、強気の価格設定。つい営業の人に「こんな8棟も詰め込んで建てるなんて、どうしようもないんですか?」と聞いたら、「どうしようもないんです」という返事。

 そういった営業の人に汗をかかせる物件、多すぎないか?

 

ある新築戸建て。

広さも申し分なく、無垢材に漆喰使用で空気がきれいです、が売り文句。

ところが、玄関を入ると、目の前にどーんと柱。「は?」

外から帰ってきて急いで駆け上がると柱にぶつかりそう。

惜しいねえ、なんでこんな設計にしたんだろう。しかも、その柱、玄関開けたらすぐに見えるのに、それほどよい木でもない。柱のために見立てた特別な木ではなくて、他の構造材と変わらない。不思議だ。

 

またある新築は、玄関から家具を入れられないほど廊下が狭く、90度、90度と2度曲がっていかないとリビングに入れない。「家具はどこから入れるんですか?」と聞くと、「庭から」。家の中でぼーっと歩くと、常に青あざができそう。どうして、こんなに狭く曲がった廊下にするのか。

 

それでも予算の関係で、みなさん不便を飲み込んで買っちゃう。

売る方はごまかしたことは黙っていれば分からない、とでも思っているのだろう。

 

不動産は誠実な相手から買いたい。

人口の減っているこの日本で、狭いワンルームマンションをバンバン建てて、人をできるだけたくさん入れようなんて、せこすぎる。

人口減の今だからこそ、同じ敷地内であれば、ゆとりのある広さにする。

そんな太っ腹な施主さんはいないのか。

アパートを建てても人が入らないって、それはあんたの腹黒さが嫌われているんだ。

広くて、安くすれば、人も入るし、若い夫婦も子どもを持とうかなって思えるんだ。

 

少子化をストップしたいなら、腹黒不動産を取り締まりやがれ、ですよ。

そして買う側も、勉強すべし。

 

(以上にあげた最後2件の新築については、工務店や売り主が「誠実な対応ができなかった」わけではなく、「こうなってしまった」仕方のない事例かと思います。)